株式会社ベネクス
代表取締役 中村太一氏
コロナ禍を経て健康への意識がより高まるなか、“着て休むことでリカバリーする”という新しい発想で注目を集めるリカバリーウェア。そのパイオニアである株式会社ベネクスは、リカバリーウェアを18年間開発、製造、販売し、健康づくりの3要素のうち「休養」に着目した事業を展開しています。今回は、代表取締役の中村太一さんに、リカバリーウェア誕生の裏側や、リカバリーを取り巻く環境の変化について伺いました。
コロナ禍を経て健康への意識がより高まるなか、“着て休むことでリカバリーする”という新しい発想で注目を集めるリカバリーウェア。そのパイオニアである株式会社ベネクスは、リカバリーウェアを18年間開発、製造、販売し、健康づくりの3要素のうち「休養」に着目した事業を展開しています。今回は、代表取締役の中村太一さんに、リカバリーウェア誕生の裏側や、リカバリーを取り巻く環境の変化について伺いました。
― 創業当初は「休養」の必要性を伝えるところから始まったとのことですが、当時と現在で「休養」に対する考え方は変わったと感じますか。
中村: 日本では、休むことへの罪悪感が前近代的な文化としてあったと思うんですよね。「お休みをいただいてしまい申し訳ございません」というように。本来は堂々と休み、次のパフォーマンスを上げれば良いのですが、その考え方が文化として浸透するにはまだ時間がかかると感じています。その前段階として、まずは着るものをリカバリーウェアに変えてみる、といった行動の変化が今まさに起きていて、それが休養への投資意識の向上につながることが理想的ですね。
― 近年のリカバリー行動トレンドの急上昇ランキングでは、「旅行に行く」「歯磨きをする」などと並び、「リカバリーウェアを着る」も上位に挙がっています。この現状をどうお考えですか。
中村:(調査結果で)2023年から2025年にかけての伸び率が2位というのは、近年のユーザー増加を実感できる嬉しい結果です。ただ、実際はまだリカバリーウェアをご存じない方、あるいは知っていても試したことがない方が多くいらっしゃると思いますので、市場としてはまだまだこれからだと考えています。これまでは各社様が「リカバリーウェア」という新しいカテゴリーの商品として展開してきましたが、今後はさらなる企業努力により、多様なデザインや特徴を持つ製品が生まれるフェーズに入っていくでしょう。それこそが、市場としてあるべき姿だと考えています。休養のためにできることの選択肢がもっと増えていくと良いことですよね。
当協会リリースより:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000080.000085299.html
― リカバリーウェアは休養学でいうとどのタイプに当てはまるとお考えですか。
中村:使い方はさまざまです。一番一般的なのは、睡眠時に着用するという意味で「休息型」です。旅行時に使用する場合は「転換型」にあてはまります。さらに、一般医療機器届出商品は血行促進という観点から「運動型」にも分類できるかもしれません。
― 中村さんご自身が実践している休養方法はありますか。
中村:私自身、かなり意識的に実践しています。気づくと四六時中仕事のことを考えてしまうので、休養のために海に行くようにしています。何が良いかというと、携帯電話から離れられることです。海でカヤックやサーフィンをすると、少なくとも半日ほどはデジタルデトックスができ、脳の違う部分が刺激されます。これは「転換型」ですね。あとは、「親交型」で、休日に普段会わない人と会うことも意識していますね。仕事関係の付き合いや家族と過ごすことが多く、人間関係が固定化されがちですが、時々仕事と離れた場所に行くと、普段関わらない人との出会いから新しい発想が生まれることがあります。「転換型×親交型」が多様な要素で取り入れられるということで、最近は釣りもいいなと思っています。乗り合い船で海に出て釣りをしていると、初めて会う人ともコミュニケーションが生まれますし、デジタルデトックスもできる。良いリカバリー方法だと感じています。
― リカバリーウェアブランドが続々と登場するなかで、選ぶポイントに悩む方も多いと思います。VENEXリカバリーウェアならではの強みやおすすめのポイントを教えてください。
中村:独自素材「PHT」というテクノロジーはもちろんのこと、モノづくりの背景にも自信があります。ベネクスは休養の専門会社であり、社員は全員「休養士」という資格を取得しています。そのため、「休養」に対する深い知見をベースにモノづくりをしていることが大きな特徴です。
具体的には、お客様が本当の意味で休養できるという科学的エビデンスをしっかりと取得し、安全性も重要視しています。安全性でいうと、世界最高水準の安全な繊維製品の証である国際規格「エコテックス®スタンダード100」の認証を取得しており、これは赤ちゃんが口に含んでも安全と認められるレベルです。お客様には安心してご使用いただければと思います。また、サステナブルなモノづくりもベネクスの重要なポイントです。休養を通じて元気になっても、その過程で社会に負荷をかけることはしたくない。そうした想いから、日本製の高品質なモノづくりにこだわっている点も、ベネクスの大きな特徴ですね。
― 改めて、VENEX商品をどのような方に使っていただきたいですか。
中村:ベースにある想いとしては、がんばっているすべての方に使っていただきたいです。私たちは本来、元気で活力があるからこそ、がんばれるのだと思います。ご自身の目標や未来に向けてがんばっている方々を応援する存在として、私たちのリカバリー商品を使っていただけたら嬉しいです。
― 今後の商品展開についてはどのようにお考えですか。
中村:リカバリーウェアというとパジャマという印象が強いかと思います。もちろん睡眠時のラインナップも展開していますが、ベネクスとしてはそこに限らない休養ソリューションをお届けしたいと考えています。そのため、ここ数年は移動時や日常使いできるシリーズ、さらにはウェア以外の入浴剤やマッサージゲルといった商品を展開し、多様なニーズに合った休養を提案しています。休養シーンを広げることを目指し、リカバリーウェアの新たな使い方を提案するとともに、繊維製品にとどまらず、それぞれのライフスタイルに合わせた商品も開発しています。お客様が毎日元気に過ごせるよう、トータルでリカバリーをサポートしていきたいです。
ベネクスは、商品開発にお客様のお声を反映させることが多く、今後もお客様とのコミュニケーションやフィードバックを大切に、より良い商品を開発し、ご満足いただけるものを届けていきたいと思います。
― 今後、リカバリー協会に期待していることはありますか。
中村:リカバリーに関して、ここまで専門的に継続して活動している機関は他にないと思います。そのため、近年は協会自体への注目も高まっていると感じています。私たち民間企業とは異なる立場で、アカデミアや社会と連携しながら啓発活動を行う機関として、より一層活発になることを期待しています。そして、その活動が継続していくことを願っています。
― 「休養」を軸に民間と協会が連携し、文化を一緒につくっていくという点では、今後いかに周りを巻き込み自分ごと化していただけるか、私たちもより活動を強化していきたいと思います。本日は、ありがとうございました。
【プロフィール】
株式会社ベネクス代表取締役 中村 太一氏
慶応義塾大学商学部卒業後、コンサルティング会社に入社。同社の運営する有料老人ホームの立ち上げ、営業を経て、2005年9月、株式会社ベネクスを設立。東海大学や神奈川県との産学公連携事業により休養時専用のリカバリーウェアを開発し、国内のみならず海外にも展開している。次の時代を担う創造企業の代表として、自ら行動・挑戦し続けている。
ベネクス公式ホームページ:https://www.venex-j.co.jp/