日本の疲労状況2025

全国10万人調査から「日本の疲労状況2025」を発表
和歌山県が「元気な人」割合で全国1位に、一方で「疲れている人」は7172万人に達し、過去最高を記録
~「リカバリー(休養・抗疲労)白書2025レポート」 Vol.1~

【調査サマリー】
■元気な人が21.4%(1967.0万人)に減少、疲れている人(高頻度)41.5%で過去最高を更新
■「疲れている」女性は80.1%、男性より3.2ポイント多い結果に
■シニア世代の「元気な人」は多い中、30代の疲労は更に深刻に
■元気な人が多い都道府県は1位和歌山県、2位青森県、3位広島県
■睡眠が5時間未満の人は20.9%と微増、睡眠時間は横ばい傾向
■元気な人の約9割は中途覚醒無し、疲れている人(高頻度)は中途覚醒有りが約5倍

※人口換算は、総務省統計局の令和7年4月22日公表【2025年(令和7年)4月1日現在(概算値)】の20~79歳9139万人を採用し、性別・年代別に係数化を行い算出した。
出典URL:https://www.stat.go.jp/data/jinsui/new.html

■元気な人が21.4%(1967.0万人)に減少、疲れている人(高頻度)41.5%で過去最高を更新

まず、男女総合(20~79歳)の疲労状況を、最新の2025年データによると、「元気な人」の割合は21.4%と前年の21.8%からわずかに減少する見込みです。一方で「疲れている人(高頻度)」は41.5%まで上昇し、「疲れている人(低頻度)」37.0%と合わせると、実に78.5%の人が何らかの疲労を感じる状態が続くと予測されています。

計測を開始した2017年からの推移(20~69歳)で見ると、状況はさらに深刻で、2025年には「疲れている人(高頻度)」の割合が46.3%にまで上昇する見通しです。これは「元気な人」の18.0%と比較すると、2.5倍以上の開きがあります。この数値は、調査開始の2017年以降で最も高い水準となっており、人々の疲労度が年々増加状況にあることを示しています。

総務省統計局の人口推計から人口換算を行うと、20~79歳の「元気な人」は1967.0万人、「疲れている人」は7172.0万人【「疲れている人(低頻度)」3385.3万人、「疲れている人(高頻度)」3786.7万人】となっており、2024年の「元気な人」1995.8万人と比べ、2025年は28.9万人減少した結果となりました。

※2017年から2020年までは20~69歳の為、過去7年間の比較は年齢を統一して比較をしています。

■「疲れている」女性は80.2%、男性より3.3ポイント多い結果に

次に男女別の比較をしていきます。「疲れている人(高頻度+低頻度)」の割合は男性が76.9%(高頻度40.2%、低頻度36.7%)、女性が80.2%(高頻度42.8%、低頻度37.4%)となり、女性が3.3ポイント多い結果となりました。昨年に引き続き、女性の方が疲労状態にあることが分かりました。

■シニア世代の「元気な人」は多い中、30代の疲労は依然として深刻な状況

2025年の年代別疲労状況を見ると、年代が上がるほど「元気な人」が増え、「疲れている人」が減少する傾向は継続しています。70代では「元気な人」が37.5%と最も高く、「疲れている人(高頻度)」は19.1%まで低下。一方、現役世代では20~40代の疲労状況が深刻で、特に20代は「疲れている人(高頻度)」が55.9%と最も高く、「元気な人」はわずか14.4%に留まっています。世代間での生活の質に大きな差が見られる状況が続いています。

2025年の疲労状況を男女で比較すると、全体的に女性の方が「疲れている人(高頻度)」の割合が高く、「元気な人」の割合が低い傾向にあります。特に20-30代では、女性の「疲れている人(高頻度)」が約58%と男性(約52%)を上回っています。また、「元気な人」の割合は、70代でも男性が39.4%に対し女性は35.9%と差が見られます。男女ともに年齢が上がるにつれて疲労度は改善されますが、全年代を通じて女性の方がより疲労度が高い状況が続いています。

■元気な人が多い都道府県は1位和歌山県、2位青森県、広島県

次に都道府県別の疲労状況を見ていきます。「元気な人」の多い都道府県は1位和歌山県(25.3%)、2位青森県(24.7%)、3位広島県(24.4%)、4位滋賀県(24.1%)、5位三重県(24.0%)という結果となりました。一方、「疲れている(高頻度)」が多い都道府県は1位沖縄県(46.5%)、2位鳥取県(44.8%)、3位富山県(44.6%)、4位山形県(43.7%)、5位山梨県(43.6%)という結果となりました。特に沖縄県は「疲れている(高頻度)」の割合が他県と比べて顕著に高い状況です。
2024年から2025年にかけての「元気な人」の割合の変化を都道府県別に分析すると、和歌山県は2024年の26.4%から2025年には25.3%と1.1ポイント減少したものの、依然として都道府県別で最も高い水準を維持しています。
また、2024年に上位だった奈良県(24.6%→23.6%)や京都府(24.3%→23.5%)も若干の減少傾向が見られますが、引き続き「元気な人」の割合が高い地域として位置づけられています。全体的な傾向として、2024年から2025年にかけて、ほとんどの都道府県で「元気な人」の割合が0.8〜1.5ポイント程度減少しており、全国的な疲労度の上昇が観察されます。

図表9:疲労状況(都道府県別)単位:%
(図中、赤字は、元気な人上位10件を表す)


■睡眠が5時間未満の人は20.9%と微増、睡眠時間は横ばい傾向

疲労状況に深い関わりを持つ睡眠時間の状況です。2025年の睡眠時間は、5時間未満20.9%、5時間以上6時間未満23.0%、6時間以上8時間未満49.8%、8時間以上6.3%という結果となりました。2024年と比較すると、5時間未満の人は20.3%から20.9%と0.6ポイント増加しましたが、その他の時間帯はほぼ横ばいで推移しています。全体的な睡眠時間の分布に大きな変化は見られない結果となりました。

図表10:睡眠時間(全体、2024-25年比較)単位:%

疲労度合別に見ると、5時間未満睡眠では疲れている人(高頻度)26.8%に対し、元気な人は14.0%となり0.52倍、6時間以上8時間未満では疲れている人(高頻度)43.1%に対し、元気な人は58.5%となり1.36倍という結果となりました。元気な人ほどしっかり睡眠をとっているということが分かりました。また、8時間以上の睡眠でも元気な人の割合が高く(1.19倍)、十分な睡眠時間の確保が心身の健康に重要であることが示唆されています。

図表11:睡眠時間(全体、疲労度合別)単位:%


■中途覚醒「有り」は24.7%と微増傾向

睡眠中の中途覚醒の有無から、睡眠の質の状況を見ていきます。2025年は、中途覚醒が有る人が24.7%となり、2024年の24.1%と比較して0.6ポイント増加している結果となりました。一方、中途覚醒が無い人は75.3%と、前年の75.9%から0.6ポイント減少しており、睡眠の質にわずかな低下が見られます。

図表12:睡眠の質 中途覚醒の有無(全体、2024-25年比較)単位:%

また、疲労度合別に比較すると、疲れている人(高頻度)では中途覚醒が有る人は39.7%となり、元気な人の8.1%と比較すると、約5倍(正確には4.9倍)も多い結果となりました。逆に、中途覚醒が無い人の割合は、元気な人が91.9%であるのに対し、疲れている人は60.3%と大きな差が見られます(1.52倍)。これらの結果から、睡眠の質が疲労度合へ大きな影響を与えていることが明確に示されています。

図表13:睡眠の質 中途覚醒の有無(全体、疲労度合別)単位:%


【ココロの体力測定 2025調査概要】

調査名: 「ココロの体力測定 2025」
期間: 2025年 4月25日~5月25日
SCR調査対象: 全国の20~79歳の10万人(男女各5万人)
方法: インターネット調査
SCR調査項目: 15問
※疲労度合項目:厚生労働省「ストレスチェック」B項目を基に独自加工して、点数化
※サンプル数は男女各5万人で、各都道府県500サンプル以上を確保し、その後人口比率(都道府県、年代、有職割合)でウエイト修正した。