一般社団法人日本リカバリー協会(事務局:神奈川県厚木市、代表理事:片野秀樹)は、大規模健康調査「ココロの体力測定」のデータを用いて、疲労による企業の経済損失額(健康関連コスト)の算出を行いました。この分析は、神奈川県未病産業研究会休養分科会、日本疲労学会、日本産業衛生学会産業疲労研究会と連携し、さらに東海大学、株式会社ベネクスとの共同研究の一環として実施されました。分析の結果、疲労関連による経済損失は年間15兆円規模に達し、従業員一人当たりでは年間22.7万円の損失が生じていることが明らかになりました。本分析では、経済産業省「企業の『健康経営』ガイドブック」および厚生労働省「コラボヘルスガイドライン」に準拠した算出方法を採用し、ココロの体力測定における疲労度合の分類に基づいて経済損失額を算定しています。10万人規模のビッグデータを活用し、性別・年代別での詳細な分析を実施したことで、企業における疲労関連の経済損失の実態をより精緻に把握することが可能となり、従業員一人当たりの損失額を明確化するとともに、企業におけるリカバリー投資の費用対効果も算出することができました。本調査の主な目的は、疲労が企業の生産性に与える影響を経済的損失として可視化し、適切なリカバリー投資の必要性を示すことにあります。