休養学

30代女性の9割が疲労困憊!?若者を襲う”疲れ過ぎ症候群”の恐怖

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休養学の豆知識

 

若者ほど疲れている!?世代別疲労度の衝撃

「疲れているのは年配の方が多いのでは?」—そう思われる方も多いかもしれません。しかし、実態は全く逆なのです。年代別で見ると、若い世代ほど疲労度が高く、60代、70代の方が元気だという興味深い結果が明らかになっています。

出典:日本リカバリー協会「リカバリー(休養・抗疲労)白書2024」

20代・30代女性の異常な疲労状態

特に注目すべきは若い女性の疲労度です。20代女性の89.5%、30代女性の90.7%が「疲れている」と回答しており、実に9割以上の若い女性が疲労を抱えている状況です。共働きによる仕事と家事の両立、さらには育児も加わる場合もあり、疲れの要因が重なる年代でもあります。

出典:日本リカバリー協会「リカバリー(休養・抗疲労)白書2024」

高齢者ほど元気?驚きの年代別データ

60代、70代の疲労度は若い世代と比べて顕著に低くなっています。60代男性の31.9%、70代男性の39.4%が「元気」と回答。女性も60代で29.4%、70代で35.5%が「元気」と答えています。仕事からのリタイアや、子育ての終了により、時間的・経済的な余裕が生まれていることが要因として考えられます。


出典:日本リカバリー協会「リカバリー(休養・抗疲労)白書2024」

睡眠不足に苦しむ若者たち

厚労省の調査では、20代の約50%が日中の眠気を訴えており、若年層ほど睡眠不足に悩まされています。一方、高齢者は加齢による生物学的な変化や、仕事からの解放により、昼間の眠気を感じにくくなる傾向があります。

出典:厚生労働省「令和元年国民健康・栄養調査結果」

現代社会が生み出す新たな疲労

昭和時代の肉体労働中心の時代から、令和の頭脳労働中心の時代へと移行する中で、疲労の質も大きく変化してきました。デジタル化の進展により、以下のような新たな疲労要因が生まれています。

1. 常時接続によるストレス
- チャットツールによる即レス圧力
- オンライン会議の増加による休憩時間の減少
- 移動時間という緩衝材の消失

2. 仕事量の増加
- オンライン化による商談件数の倍増
- 雑談や休憩時間の消失
- 孤独感の増大

求められる新しい休養のかたち

従来の「休養=何もしない」「休養=睡眠」という考え方では、現代の疲労に対応できなくなってきています。特に以下の点で、新しい休養の在り方が求められています。

- 頭脳労働後の興奮・緊張の解消
- 生活リズムの乱れへの対処
- デジタル疲労からの回復
- 孤独感の解消

このように、疲労の質が変化している現代社会では、従来型の休養方法だけでなく、新しい時代に即した休養の取り方を模索していく必要があります。次回以降の講座では、このような現代型の疲労に対する具体的な対処法について、詳しく見ていきましょう。