産前産後夫婦の疲労状況2023

産後女性の疲労状況91.9%が「疲れている」と回答『休めない意識』の男女差が、産後夫婦の課題に~「産後リカバリー白書2023レポート」Vol.1~

【調査サマリー】
■産後女性の疲労状況は「疲れている人」が91.9%に
■2021年の91.4%から2023年は91.9%と高い数値で微増傾向
■女性の疲労度は、産後0-2ヶ月期の産褥期が94.2%で最もピークとなる
■産後で男女別で比較すると、「疲れている人」が男性で84.4%となる
■ストレス状況を、産後の男女別で比較すると、「高ストレス者」が女性で16.6%、男性で23.8%、出産後の女性は、ストレスへのマスキング効果に注意
■産後女性の睡眠時間は、6時間以上8時間未満で39.6%、5時間未満では28.2%
■睡眠時間を2021年と比較すると5時間未満睡眠の割合は32.5%から28.2%と改善
■男女別で比較すると、5時間未満睡眠が31.5%となり、産後男性の睡眠時間も課題に
■休めない意識は出産後から大きく上昇し6割を超える状況に
■休めない意識は出産を機に男女差が大きくなり、女性63.6%に比べ、男性は28.3%
※産後女性、産後男性の条件【エリア:全国、年齢:20-49歳、産後0-12ヶ月】
■女性の疲労度は、産後0-2ヶ月期の産褥期が94.2%で最もピークとなる

まず、産後女性の疲労状況を2021年から2023年の推移で比較すると、「疲れている人」が2021年の91.4%から2023年は91.9%と微増しており、高い水準で疲労状態にあることが分かりました。産後の男女別で比較すると、「疲れている人」が男性で84.4%となり、女性よりは7%程度低いものの、男性も高い水準で疲労状態という結果になっています。ライフステージ別で、マタニティー期から未就学児に至るまでの女性の疲労度を比較すると、マタニティー期で「元気な人」の割合が増える傾向ですが、産後期から未就学児期と「疲れている女性」の割合は高くなっており、特に「産後0-2ヶ月の産褥期の女性では、「元気な人」が5.8%と非常に低い結果となっています。

〈図表1:疲労状況(産後女性、2021-23年比較)単位:%〉


〈図表2:疲労状況(産後男女比較)単位:%〉


〈図表3:疲労状況(産後女性、産前産後時期別比較)単位:%〉


〈図表4:疲労状況(産後女性、産後期詳細比較)単位:%〉


■出産後の女性は、ストレスへのマスキング効果に注意

ストレス状況を、産後の男女別で比較すると、「高ストレス者」が女性で16.6%(高ストレス者予備軍:27.0%)、男性で23.8%(高ストレス者予備軍:31.3%)となり、産後期の男性のストレスが高い結果となりました。ライフステージ別で比較し、マタニティー期から未就学児期の女性のストレスを見ていくと、高ストレス者の割合がマタニティー期では20.3%、産後0-12ヶ月期では16.6%、未就学児期では20.1%と産後0-12ヶ月期で低くなる結果となりました。出産を機に赤ちゃんへのスキンシップなどで、オキシトシンなどの分泌も促進され、ストレスをマスキングしてしまい、更に疲れてしまうことも推測されます。
※本データでは、ストレス値で、77点以上を高ストレス者、63点以上を高ストレス予備軍としています。

〈図表5:ストレス状況(産後男女別比較)単位:%〉


〈図表6:ストレス状況(産後女性、産前産後時期別比較)単位:%〉


〈図表7:ストレス状況(産後女性、産後期詳細比較)単位:%〉


■睡眠が5時間未満の人は大きく減少。睡眠時間は増加傾向だが、活動再開で休養時間は減少に

適切な睡眠時間とされる6時間以上8時間未満を取れているのは、産後の女性は39.6%となっており、睡眠時間不足が指摘される5時間未満では、産後の女性は28.2%という結果となりました。2021年と比較すると5時間未満睡眠の割合は32.5%から28.2%と改善方向ですが、疲労状況は微増傾向な為、睡眠の時間だけではなく、睡眠時間の質や生活の中での対策が必要になっています。また、産後の男女別で比較すると、6時間以上8時間未満では、産後の男性は44.6%となり産後の女性より多いもののく、5時間未満睡眠の割合は31.5%と3割を超え、産後の男性の睡眠時間は2極化しています。

〈図表8:睡眠時間(産後女性、2021-23年比較)単位:%、倍〉


〈図表9:睡眠時間(産後男女別比較)単位:%、倍〉


■休めない意識は出産後から大きく上昇し6割を超える状況に

女性の休めない意識は出産後から大きく上昇し6割を超える状況になる。休めない意識は、一般の男女を比較しても女性42.1%、男性27.5%と女性が高い数値を示しているが、出産を機にその差が大きくなり、産後0-12ヶ月期には女性の63.6%に比べ、男性は28.3%と微増となっている。

〈図表10:休めない意識(全体、産後男女別比較)単位:%〉


〈図表11:休めない意識(産後女性、産後期詳細比較)単位:%〉


【調査概要】
調査名:「ココロの体力測定 2023」
期間:2023年 4月18日~5月23日
SCR調査対象:全国の20~79歳の10万人(男女各5万人)
方法:インターネット調査
調査項目: 10問
※疲労度合項目:厚生労働省「ストレスチェック」B項目を基に独自加工して、点数化
※集計データ:県・年齢を実際の人口でウエイト修正を行い活用
抽出対象者: