全国10万人調査から「日本の疲労状況2023」を発表
20~79歳では、「疲れている人」が7234.4万人、「元気な人」は1985.0万人で78.4万人の減少に~「休養・抗疲労白書2023レポート」Vol.1~
【調査サマリー】
■コロナ禍がひと段落し活動が再開も、「疲れている人」は約8割に上り、2023年も依然として疲労傾向は高い水準で推移している。
■総務省統計局の人口推計から人口換算を行うと、20~79歳の「元気な人」は1985.0万人、「疲れている人」は7234.4万人となった。
■2021年の「元気な人」が2063.4万人と比べ2023年は78.4万人減少した結果に
■男女別でみると「疲れている」女性は、男性より3.3ポイント多い結果に
■シニア世代の「元気な人」は多い中、2023年は60代で減少状況に
■更に20・30代女性の「疲れている人(高頻度)」が増加傾向で疲労は深刻な状況に
■睡眠が5時間未満の人は大きく減少し、睡眠時間は増加傾向
■何かしらの要因で睡眠時間8時間以上取っている人が約1割増加
■活動再開を起因として、睡眠時間以外の休養時間は減少に
※人口換算は、総務省統計局の令和5年5月22日公表【2023年(令和5年)5月1日現在(概算値)】の20~79歳9217万人を採用し、性別・年代別に係数化を行い算出した。
出典URL:https://www.stat.go.jp/data/jinsui/pdf/202305.pdf
■コロナ禍がひと段落し活動が再開も、2023年も依然として疲労傾向は続く結果に
まず、男女総合(20~79歳)の疲労状況を2021年から2023年の推移でみると、「元気な人」が2021年の21.9%から2023年は21.5%と微減をしているものの、「疲れている人(低頻度)」、「疲れている人(高頻度)」の状況などから、大きな変化は無いことが分かりました。2017年から2023の推移(20~69歳)でみると、「元気な人」が2019年23.2%から、2021年19.3%、2023年18.2%とコロナ禍での低下傾向は引き続き回復していない。総務省統計局の人口推計から人口換算を行うと、20~79歳の「元気な人」は1985.0万人、「疲れている人」は7234.4万人【「疲れている人(低頻度)」3675.5万人、「疲れている人(高頻度)」3558.9万人】となっており、2021年の「元気な人」が2063.4万人と比べ2023年は78.4万人減少した結果となった。
※2017年から2020年までは20~69歳の為、過去7年間の比較は年齢を統一して比較をしています。
〈図表1:疲労状況(全国、男女計、20~79歳、2021-23年比較)単位:%〉
〈図表2:疲労状況(全国、男女計、20~69歳、2017-23年比較)単位:%〉
■「疲れている」女性は、男性より3.3ポイント多い結果に
次に男女別です。「疲れている人」の割合は2021年までは男女で大きな違いは見られませんでしたが、2023年は「疲れている人(高頻度+低頻度)」男性が76.8%、女性が80.1%と女性が3.3ポイント多い結果に。女性は「元気な人」が19.9%と男性よりも女性の方が疲労傾向にあることが顕著になりました。
〈図表3:疲労状況(全国、20~79歳、男女別比較)単位:%〉
■シニア世代の「元気な人」は多い中、60代で減少状況に、更に20・30代女性の疲労は深刻に
男女・年代別の疲労状況です。男女共に年代が上がるほど「元気な人」が増え、「疲れている人」「慢性的に疲れている人」の割合が減少する状況は2021年から変わっていません。ライフスタイルに余裕が出る方が多い、60代・70代では「元気な人」が「慢性的に疲れている人」の割合を大幅に上回っているものの、男女とも初めて60代が減少傾向にありました。現役世代内では40代までの疲労状況が高く、とくに20代・30代女性は「元気な人」がわずか1割で、「慢性的に疲れている人」は5割を超え、2022年も日本では、若い女性の疲労が深刻な状態です。
〈図表4:疲労状況(全国、男性、年代別比較)単位:%〉
〈図表5:疲労状況(全国、女性、年代別比較)単位:%〉
■睡眠が5時間未満の人は大きく減少し、睡眠時間は増加傾向だが、活動再開で休養時間は減少に
疲労状況に密接な睡眠時間と休養時間【睡眠以外】状況です。2023年の睡眠時間は、5時間未満16.1%、5時間以上6時間未満24.2%、6時間以上8時間未満53.5%、8時間以上6.6%という結果に、2021年と比較して5時間未満の人は0.85倍と大きく減少をしており、全体的に睡眠時間は増えている。しかし、8時間以上の睡眠の方が1.09倍となり、何かしらの要因で過度な睡眠時間を要する人が増えている状況となりました。また、睡眠時間と共に重要な休養時間の推移をみると、2021年に比べ2時間未満の人が増加しており、3時間以上の人は約1割減少をしている。コロナ禍から活動が再開し移動時間などが増えている為、自身の休養に充てていた時間が減っていることが推測されます。
〈図表6:睡眠時間(全国、男女計、20~79歳、2021-23年比較)単位:%、倍〉
〈図表7:休養時間【睡眠以外】(全国、男女計、20~79歳、2021-23年比較)単位:%、倍〉
【調査概要】
調査名:「ココロの体力測定 2023」
期間:2023年 4月18日~5月23日
SCR調査対象:全国の20~79歳の10万人(男女各5万人)
方法:インターネット調査
調査項目: 10問
調査名:「ココロの体力測定 2021」
期間:2021年 11月15日~12月20日
SCR調査対象:全国の20~79歳の10万人(男女各5万人)
調査項目: 10問
※疲労度合項目:厚生労働省「ストレスチェック」B項目を基に独自加工して、点数化
※集計データ:県・年齢を実際の人口でウエイト修正を行い活用