からだケア

運動が苦手です。疲れにくい体づくりのために、 日常生活でできることはありますか?

キーワードは「筋肉の形状記憶効果」。あることを意識するだけで、体は変わります。

「疲れにくい体づくり」と聞いて、思い浮かぶのはどんなことでしょうか。筋トレ? ウォーキングやジョギング? もちろん有効な手立てですが、もっと大切なのは、日常生活への意識。どっと疲れてからあわててリカバルのではなく、まずは「姿勢」から意識してみませんか?

現代人が忘れてしまっている“正しい”姿勢とは

立つ、歩く、座る。ヒトは日中、この3つの動作を繰り返して生きていると言っても過言ではありません。これらに共通しているのが、姿勢です。「きちんと立ちなさい」「背中が丸まっているわよ」子どもの頃から言われ続けているにも関わらず、年を重ねてもなお正しい姿勢は現代人の課題の一つ。学術的には以下のように言われています[1]。

①力学的視点・・・・バランスよく安定しているか
②生理学的視点・・・疲れにくいか
③心理学的視点・・・気持ちが安定しているか
④作業能率的視点・・動きやすいか
⑤美学的視点・・・・見た目が良いか

この中でも、注目したいのが②と③です。崩れた姿勢を続けていることで発生する肩や腰の凝りは、体の快適な動きを妨げ、疲労の原因に。また自律神経は脊髄から体の各所に分布しているため、背中が丸まったり歪んだりすれば、疲労はもちろん、心身のストレス状態にも影響を及ぼします。

毎日の意識で、正しい姿勢を「形状記憶」しよう

実は筋肉は、記憶を保持することができます。簡単に言えば、筋肉の形状記憶効果です。
例えばスーパーでたくさん買い物をした時。家に着いて袋を下ろしても、持っていた指が丸まったままだったり、肘が上がったまま戻らなかった経験はありませんか? まさに、指や腕の筋肉が形状記憶してしまった状態。 これは瞬間的なお話ですが、抗重力筋で維持している姿勢にも応用することができます。

まずは正しい姿勢を知ること。そして形状記憶させるためには、日頃からの意識が大切です。この記事を読んでいる今からさっそく始めて、疲れにくい体を目指しましょう。

《関連記事》「姿勢が悪い」と指摘されたのですが、そもそも正しい姿勢がわかりません。

参考:[1]中村隆一・齋藤宏・長崎浩著(2003).基礎運動学 第6版,医歯薬出版

【記事提供】オフラボ「筋肉の形状記憶効果とは?体も心もストレスオフは正しい姿勢から」