スペースづくり

きちんと休養するなら、音のない静かな環境のほうがいい?

静かさを意識するよりおすすめなのが、自然音のある環境です。

「今日はしっかり休養して、リカバろう」。そんな時、どんな環境を意識していますか? アロマを焚く、お気に入りの音楽をかける、五感から解き放たれて静かに過ごすetc...。いろいろなアイデアがありますが、今回は「音」に関するおすすめをご紹介します。

人は日々、さまざまな音の中で生活しています

街中でふと耳に入ってくる好きなアーティストの曲だったり、電車内で乗り合わせた人のおしゃべりだったり。人は日々さまざまな音にさらされて生活しています。心地よいものであれば意識しないかもしれませんが、例えば疲れて帰ってきて、上の階が騒がしかったとしたら……「音のない世界に行きたい!」そんなこともあるでしょう。

JVCケンウッド・ビクターエンタテインメント エンタテインメント・ラボが行った、こんな実験があります。「精神負荷の強い百マス計算実施時」、「音のない安静な状態」、そして「ハイレゾが流れる音のある空間」で被験者29名の心拍数およびLF(交感神経)/HF(副交感神経)への影響を比較するというものです。
すると、次のような結果となりました。

疲労やストレスを感じたときに聞きたいハイレゾ音とは?

精神的負荷、つまりストレスのかかる百マス計算時と比較すると、音のない安静時は心拍数が低下し、副交感神経が優位になりとリラックス傾向を示しました。しかし、さらにその傾向が顕著だったのが、ハイレゾ音を聞いた時です[1]。

「ハイレゾって何?」初めて聞く方も多いでしょう。ハイレゾ(ハイレゾリューション)音とは、簡単に言えば高解像度の音源のことで、通常の音楽CDには収録されない20kHzを超える高周波数音までを含みます。実はこれまで人の可聴音域(音を聞き取れる聴覚の限界)は20Hz~20kHzとされてきたため、現在の音楽CDで十分だったわけですが、近年の研究により、人によっては20kHzを超える音を感知できていることが判明。そればかりでなく、感知できていない人でもストレスなどを低減する可能性がわかってきました[2]。

鳥のさえずり、川のせせらぎ。自然は豊かなハイレゾ音の宝庫

それではどのようにしてハイレゾ音を休養に取り入れればいいのでしょうか。その答えは、実は身近に。日本人が古来親しんできた(でも現代の都会人にとっては贅沢な)自然の音に、ハイレゾ音が含まれていることがわかっています。
しかし先ほどお話したように、通常の音楽CDでは再現できません。ですからどうぞ次のお休みは、自然の中へ。鳥のさえずりや川のせせらぎなど、豊かな音に包まれる時間を過ごしてみてはいかがですか?

参考:[1]監修:梅田 智広 医学博士/奈良女子大学 社会連携センター 特任准教授(現:奈良県立医科大学 産学官連携推進センター教授・MBT研究所教授)水木さとみ 医学博士・心理カウンセラー [2]日本における森林医学研究 宮崎良文, 池井晴美, 宋チョロン 日本衛生学雑誌 69(2): p.122-135(2014)

【記事提供】オフラボ|川のせせらぎ、鳥のさえずり。「自然の音に癒やされる」の“隠れた”理由とは? / オフラボ|不快な音を“音”で包み込む?ストレスオフな空間作りのアイデア

この記事のリカバリ用語

  1. 自律神経

  2. ストレス

  3. ハイレゾ音源